景徳鎮窯。
青白磁には異形の香炉が時々あるが、これも凝った意匠のもの。普通この時期の香炉は定窯や耀州窯・越州窯のものも含めて、高脚の上に炉体を乗せることが多く、本例もその式をとっている。
撥形に開く足を二段に重ね、下方の足には輪違文を透彫りし、軽快な形としている。この足に乗る炉体と火舎は合わせて一箇の球を形成しているが、その火舎の方の上面には金属のそれを思わせる斜線捩り状の透かしが細かに入れられている。器胎の厚みは2・3ミリしかないのでこの作業は非常に難しく、それが破綻も無く、また焼き歪みもせずに仕上がったのはやはりこの窯の胎土のよさであろう。
現在でもカオリンは陶磁器の原材料として世界一の名声を博しており、その埋蔵量は少なく見積もっても後1300年分以上はあるというのだから驚き。景徳鎮の町はいまでも窯の煙突が林立し、空は一年中煙で覆われており、1000年余続いてきた。
サンフランシスコ美術館蔵・旧ブランデージコレクションとして同意匠の香炉がつとに名品として知られる(世界陶磁全集12 宋/小学館) 。 |