景徳鎮窯。
シャープさと機能性を十分に備えた作品。胴はほぼ球形につくり、胴の上端には長く湾曲した注口が付く。口は円筒形を呈し、獅子形の鈕をつけた円筒形の蓋が被る。注口と把手の付け根には花形の飾りがあるが、他は無文。11世紀後半の紀年墓に類品があり、大英博物館にも承盤を伴なった水注が蔵されている。
景徳鎮窯の青白磁は11世紀後半にその製作が流行するが、青白磁というより白磁に近い作品(例えば著名な出光美術館蔵)が多く、本品の如く影青の美しさを際立たせた青白磁作品は稀少。獅子の姿は生き生きとしている。官窯に取り入れられていった元時代以降の白磁や、鮮やかな青花磁器も宋代白磁の基礎があって華開いた。宋白磁は全国の穴蔵から出土することが多く、長距離の運送により各地に到達したと知れる。本品も近時南京郊外墓出土品であって、1000年余りの時空を超え、無傷で今ここに存在することの不思議さを思わずにはいられない。
参照 : CW-012 |