DK-381 青銅ゆう
時代:商晩期(紀元前14世紀〜前11世紀) 、サイズ:高さ 36cm×横 18.7cm
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形態はがっしりとして重々しく4つの角には何れも稜飾りをもち、さらに荘厳な感じを与えている。文様の主体が全て高い浮彫りとなっており、非常に繁密な雷文を地とし、主文と地文がはっきりと分かれている。蓋部には対照的な龍文を、身部には鳳凰文・龍文・饕餮文を飾る。
堤梁には蝉文を装飾、両端には羊型の犠首を飾る。主文以外は装飾しうる空間を全て小動物で埋め尽くし、その余白には雷文を施すのは商晩期の青銅器文様の特徴。ゆうは酒やウコン草の煮汁を容れる容器として用いられた。商中期から西周中期まで製作され、商代には縦に細長い壺形が多いが、西周から胴体が下膨れとなり、断面がかなり扁平な楕円形のものに次第に定型化されていった。殷周青銅器の基本的な文様である饕餮文の原形が林巳奈夫氏によつて良緒文化の獣面文であることが指摘されて久しい。

方ゆうには蓋から圏台まで角型のものと胴部以下が方形をしたものがあり、本作品は前者。方ゆうの遺品は稀少。台湾故宮・住友泉屋博古館に蔵される。青銅器は「熟坑」(伝世品であり、銹を落とし油を塗る)であり、本品のような「生坑」(出土まもないもの)の初な美しさは良いものだ。
西アジアをはじめとする文化圏では脱脳法であるが、殷周時代の青銅器の製作法は陶模法(外氾分割法)と呼ばれる。非常に複雑で精密な工程を必要とする技法で製作されている。殷周青銅器は世界中の古美術収集家を魅了しているもの。
参照本 :
@ 文物鑑賞図録 青銅古器
A 故宮博物院蔵 文物珍品全集 青銅器礼楽谷










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