DK-359 五牛貯貝器
時代:前漢時代(前206〜8) 、サイズ:高さ 26cm×横 17cm×14.5cm
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貯貝器は安産を象徴する子安貝を貯めておくテン文化を代表する青銅器。器身は胴が括れた円筒形を呈し、平底に三つの獣足、両側に虎形の把手を兼ねた装飾が付く。蓋上に5頭の牛を配し、中央の牛は銅鼓の上に立つ。身と蓋の側面は細緻写実的に船に乗る人物・牛と連続菱文・丸文・山型文で装飾される。テン国では牛は富の、虎は権力の象徴であった。
貯貝器の装飾は多種多様で、鋳造は非常に精巧。題材は日常生活に取材したものが多く、当地の社会状況を研究する上で非常に重要。貯貝器の副葬は有力者層大型墓に限定される。銅鼓は祭祀に使われる神聖な楽器であると同時に、貯貝器という富の象徴とも密接にかかわっていた。
漢代においては、現在の雲南・貴州・四川西部に居住する各民族は西南夷と総称された。今の昆明近くのテン(池)国は発達した青銅文化の段階にあったが、漢朝は西南地区に郡を設けた後、漢族と西南各族との往来を密接にした。
胴面の船と人物の図柄は前2世紀の南越王墓出土「桶形容器」の胴面にも描かれている。

参照本 : 中国製銅器全集M テン・昆明











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