漢代の貴族たちにとって最大の娯楽であった「六博」盤。青銅製で四方に白玉製の座人物が支えとなっている。上面周囲を巡って一段と高く枠が取られ、龍と菱文で連続模様が型抜きされ、四角には大きめの半球型の菱文の間には小振りな孔雀石が嵌め込まれている。
盤上は方形とTLV字形の模様が銀象嵌されており美しい。
六博は双六と将棋を合わせたようなボードゲームで戦国時代から中国全土に普及し、漢代になって爆発的に流行した。仕事も忘れ、夜に日を継いで熱中した者も多かったという。負けたものは罰として酒を飲まされることになっていたから、ゲームが進むうちに両者ともに酔いが回り、興奮し大喧嘩になることも多かったといわれる。当然死後も続けたいと思うわけで、戦国時代から漢代にかけての墳墓から、副葬品として多くは陶製・木製が出土する。漢代画像石においても、貴顕の人々が六博にうち興じる姿があらわされ、死後の世界でも最大の娯楽であった。
今では遊び方も不明となり「謎のゲーム」となってしまっている。木製・緑釉陶で相対する人物と六博盤の組合せの明器出土例は知られるが、銅製また実物使用道具の本品は初見であって貴重と思われる。
良質の白玉製、精緻な作行き、緑松石の飾り等、相当な豪族の持物であったのであろう。実用品として山東省博物館蔵に4匹の熊足の石製品が知られる。
香港著名収蔵家旧蔵品。
参考資料
:

|