漢時代の人々にとって熊は限りない力の象徴であった。熊は黄河の水を治め、民の安寧に尽くした禹の化身であるという伝説があるが、漢時代の美術においては神話の世界をこえ、力とおかしさに溢れた表現となっている。眼に緑松石、腹部は瑪瑙が象嵌。これと同様の熊の多くは、青銅や温酒尊、鍋などの器脚として作られたもので金色の鮮やかさ、緑松石、瑪瑙の象嵌等から、器全体の見事さがしのばれる。熊脚だと3ヶで支える事となる背部は木胎を組み込む為削り固定の為の柄が有る。