景徳鎮窯。
胴面には松・竹・梅の三友寒、頸部は菊唐草文を意匠し、口を開けた獣面足を青銅をはじめとする金属製のものに見られる彎曲する耳を持つ。
元時代独特の双耳をはじめとする700余年前の繊細な造形作品が些かの損傷なく、今に伝わる奇跡は近時発掘の賜物。中国の文人にとって出仕と隠逸は人生の重要な問題であったが、立身出世と富貴栄華の道とは別に、文人の中には心を隠居楽道に求め、自在に生きることを望んだ。
科挙が廃止された元時代は多くの文人が市井に寓居し、山林に隠棲したが、この文人の精神を象徴するものとして称えられたのが「歳寒三友」 「四君子」(蘭・竹・梅・菊)であった。文人はそれらの事物に自己の姿を投影し、心情を託したわけで、吉祥とはまた違った文人固有の意味と願いが込められている。 |