景徳鎮窯。
鉄含有量の高いコバルト顔料を用い、草魚・鯉・ケツ魚などがしっかりした筆ゆきで表わされ、豊かな江南の湖沼の様子そのままに水藻や蓮が配される。蓋は葉脈が描かれ、荷葉形そのまま。魚は中国語の音で「ユ」で同音の「余」と通じるところから、食物が常に器に満ち余っているというめでたい有様を表現するものであるが、元時代の魚はそうした中国古来の慣習や形式をはるかに越えた描写と鮮烈な迫力に満ちている。食料を入れた実用器であろう。
元代は中国の焼物に関する一の大なる転換期である。即ち元代を契機として一方には古い宋代の窯芸は凋落し、他方にはこれと同時に新しき精神と技法とによる明清窯芸の一大潮流がこの時代を源として発足した。近時景徳鎮郊外窖蔵より出土。
参照 : CB-073 |