CB-082 青花蓮池水禽文洗
時代: 元時代  、 サイズ: 高さ 7cm×径 16cm
価格: \
景徳鎮窯。
口部を内抱えにした鉢であり、筆洗。見込みに蓮池水禽図を描き、水が注がれた容器の底を覗けば、その池に遊ぶ鴛鴦が見える。この趣向が面白く思われたのであろう、文房四宝の国・中国に筆洗は多い。
側面はラマ式連弁文・牡丹唐草文と密に空間を埋めている。文様は力強く律動感に溢れており、元青花の魅力が十分。蓮の花が咲き誇る池の中に一つがいの鴛鴦が向かい合い、明らかに夫婦の和合を意味する。景徳鎮窯で青花磁器の焼造が本格化したのは、元時代後期のことであって、蓮池と鴛鴦の図はこの時期の青花磁器に好んで描かれている。長い中国陶磁の歴史にあって釉薬の時代から、絵付けの時代へと大きく変貌したのは元時代であって、長い間文化の暗黒時代を強いられ、蒙古族の支配下にあった元時代は、そうした暗いイメージとは裏腹に、明清文化の基調が作られた創造的時代であり、焼き物も同様まさに画期を築く重要な技術革新とそれに伴う様式の革新が逞しく推し進められていた。
かって元の染付の世界的な宝庫とされているのはインドネシア、特に香料諸島であって、元時代には香料と交換にいろいろな元染付の優品がかなりの数この地方に渡り、古美術商が探し回ったこともあるが、現在では中国の開発により、本土から出土する品が圧倒的。







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