CB-063 釉裏紅雲龍文壷
時代: 元時代  、 サイズ: 高さ 17cm
価格: \
口縁をやや高くし、腰部から高台にむけてしぼる壷の器型は元時代独特のもの。胴面一杯に描かれた火焔珠を追う龍を描く。下方部はラマ式蓮弁文を、部分的に紅釉が蒸発しているがほぼ完璧な鮮紅色でもって発色し、陶工の満足感を満たしたと思われる。釉裏紅は元景徳鎮の陶工による重要発明の一つであり、青花の製造工程とほぼ等しい。つまり両者とも釉下彩という点では同類であって使用する顔料が銅かコバルトかの違いがあるにすぎない。しかし釉裏紅は要求される焼成状態が厳密であること、即ち還元焔状態でなければ紅色に発色しない。そこで生産量も少なく伝世品。出土品も数量は多くない。薄造りであり軽量。清白の磁肌との対比が美しい。明代の宣徳期や清代の康煕・雍正期の釉裏紅磁器は歴史上すこぶる盛名をはせているがそれらは元代に開発された技術を基盤として成就しえたもの。天空を疾走する龍の姿が力強い筆使いで描かれ、動成に溢れている。確かなデッサン力。隙の無い空間を埋める文様構成によくあらわれている。
日本の龍は三本爪で珠玉を掴んでいるのが普通だが、中国の龍は離れたところにある珠玉を窺っているのがほとんどであり、珠玉は「天下の中心」を意味する。それをあえて掌中にするのは龍といえども憚るということであろう。香港著名収蔵家旧蔵品。

参照 : CB-027・028








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