黄班石といわれる円形・卵型など多種多色の石が混ざった珍しい石で製作されている。おそらく、獅子の模様として適当と判断した工匠の知恵であろう。左手を胸に当て体を捩り、威嚇する態様は墓室を守る鎮墓獣に相応しい。
三彩の獅子も王侯・貴族の墓室に副葬されており、本品も墓室の入り口に1対で置かれていたもの。鎮墓獣は春秋時代後期の楚墓から出土する虎形・双頭・一頭の蛇形の木彫神像。漢〜六朝墓から出土する土俑・辟邪。唐墓から出土する醜悪な顔をした獣形ないし人面獣身の三彩俑魁キ頭などがある。
鬣の立体的彫刻、顔面・爪の細々とした彫刻は、並々ならぬ鏨の技である。 メトロポリタン美術館蔵同石の獅子像が知られる。
参照本 : 中国美術 第3巻 彫塑 |