CT-021 女子俑
時代: 唐時代  、 サイズ: 高さ 60cm
価格: \
唐時代の墓には、必ずといってよいほど女性俑が多数納置されている。墓主の妻妾あるいは従者などを表現したものと見られ、死後に於いても生前と同じような生活が続くと捉えられていた当時の人々の観念を具体的に示したものと考えられる。長衣を纏い、少し片足に重心を傾けて、悠然と佇む容姿にはおそらく当時の理想的な女性像が反映されているのだろう。貴紳の墳墓に副葬される各種明器は唐時代においても官制の下で管理・製作され、この豊満な婦人像は開元・天宝年間に流行した姿。唐時代初期の女性俑が一様に細身なのに対し、これらは豊満な姿態を示す。唐時代盛期の玄宗皇帝の治世下になってから特に好まれるようになった作風であり、そこには往時の女性観の変遷を見てとることができる。豊満な体に合わせてゆったりとした長袍が流行し、その流行はそのまま日本の奈良朝に伝えられて愛好されており、その様子は正倉院の樹下美人図などに残されている。60cmを超える大型品は極めて稀少であって世界の美術館・収蔵家の求めるもの。彫塑芸術は唐代において大きな発展期を向かえ、高い芸術価値を持つことが理解できる。近時洛陽郊外墓より出土。

三彩・加彩の陶塑は形態も比較的大きく・もろく長途の輸送が困難を極めたため、長安と洛陽が主要産地であり、また出土地でもある。唐代の無名の芸術家が見事に表現できる高い彫塑技術を持っていたことには驚くものが有る。両手を組む袖部には薄緑色を施し、胸元には朱を加えた牡丹花を薄墨で描き、全体を淡紅色で覆う絶妙な落着いた彩色は気品有る顔相と共に一層魅力的な品としている。1300年余の時空を超えて、これ程の品が我手できる喜びはひとしおの幸せ。古玩収集冥利といえよう。今の時代に感謝したい。







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