越州窯。
東晋時代になると鶏首壷の形にも変化が見られ、一般に壺身は大きくなり鶏首も頸から上が表され、その嘴も尖った形から円筒形となり、又把手が付けられる様になる。前部に鶏首を据え、対称の位置に把手を付け、形に双耳を飾り、一条の弦文が施されている。
青磁釉が掛けられ、褐色の点彩が加えられているが、これは東晋時代に流行した装飾方法。全体の造型は厳しく引締まり美品。
注口と胴とは穴が貫通していないのが天鶏壺の特色で、本来実用の器でなかったことを示唆しているのが一般的であるが、本品は貫通しており、実用酒器と見られる。南北朝時代に入るとさらに大型化し、江南だけでなく華北でも見られるようになる。同一陶工の作であろう、同墓出土品。
参照 : CC-141 |