磁州窯。
強く巻き返した口縁、丸く豊かな胴から急に窄まって開いた圏足、北宋時代に磁州窯をはじめとする華北の諸窯で作られた形。黒の牡丹の唐草風折枝文はクリームが厚く掛かるアイボリーホワイト地に美しく映え、器形に合わせて見事に纏めてある。白地黒掻落の作品は、なぜか牡丹唐草を表したものが大部分を占めるが、そのデザインは様々で工夫を凝らしている。花も葉も大振りで黒の広がりが美しい。黒い部分は漆黒で、白い肌はやきものとは思われないような質感があり、刃先は勢い溢れる技の熟練ぶりは当時の磁州窯の活況ぶりをも示している。
宋時代には宮廷・文房また寺廟にも花を生けることが一般となるが、それにつれて種々の花器がつくられた。近来世界の人々がこうした東洋的鋭い感覚から生まれた美に目を覚ましたのも肯けるではないか。類品: 緑釉を掛けた「緑釉白地黒掻落瓶」大阪私立東洋陶磁美術館蔵は重要文化財。香港著名収蔵家旧蔵品。
参照本 : 壺中居 第14回東美特別展 宋磁 |