CJ-054 白地黒掻落し龍文瓶
時代: 北宋時代(12世紀前半)  、 サイズ: 高さ 18.5cm
価格: \
磁州窯。
胴部に表された龍は、瑞雲の中器面を巡り4爪を振り立てている。上部は花文、下部は蓮弁と密な構成力でまとめている。白化粧の上に黒の顔料を重ね、余白の黒絵の具を削り取って白地に黒の文様を表す白地黒掻落技法は、磁州窯の装飾技法の中で最も古典的な性格を持つもの。白地黒掻落の装飾技法が用いられた器物は磁州窯の中でも精作の類に属するものが多く、製作は精緻・端正で高い技術が発揮されており、重要文化財白鶴美術館蔵「白地黒掻落龍文瓶」は中国陶磁史の王座をしめる物として知られる。

中国における龍の文様は古く青銅器に始まり、中国芸術史の上で龍のしめる意義は大きいが、これより時代の下がる物は図案化されすぎ先行するものはややグロテスクでさえあって、この時代の龍の文様の魅力は一層である。掻き落し技法を仔細に観察すると輪郭を表す彫線の動き・鉄絵具を削り落とす箆の使い方は放逸なほど自在で、輪郭の中に食い込んだり下地の素地があらわれたりするが、やや距離をおいて作品を一瞥した時、そうした粗野な躍動が磁州窯製品に生命を吹き込んでいることが発見できる。この種の黒掻き落し製品は河北省磁県の観台鎮窯で優品が多く作られたことが知られている。

参照 : CJ-043







← 磁州窯のページへ戻る