CJ-043 白地黒掻落龍文梅瓶
時代: 北宋時代  、 サイズ: 高さ 27cm
価格: \
磁州窯。
中国における龍の紋様は古くは青銅器に始まり、中国芸術史の上で龍の占める意義は大きい。要を得た青銅器以来の迫力を保ちつつ、瓶を右から左へと動いていく。広く開いた口・目・鱗などの細かい細工に対し、力強い爪・鰭・メラメラと燃える火のごとき尾は、その瓶を巡って見ることによって初めて認められる。白・黒のバランスと共に抜け目のない構図の冴えである。龍は三爪。
又、梅瓶の形は宋磁の中でも儒教思想を反映した厳格な北宋の代表的な形態であり、龍という中国の代表的文様と、黒白という色彩的にも一番派手な色合いであるなどの要素と相俟って「宋磁」の魅力を発揮している。龍といわれているが、尾の先が二つに分かれており、龍頭魚尾の「摩羯」とも考えられている。宋代磁州窯に於いて、白磁黒掻落しの龍文は極めて珍しいもの。
同文様で重要文化財 白鶴美術館蔵(高さ40,6cm)があまりに有名な優品として知られる。磁州窯は河北省にあり、華北最大の製陶地であって、隋唐以来いまなお盛んに雑器を焼き、南の景徳鎮と対峙する窯場であり、定窯や汝窯と違い、終始一般庶民の日用雑器を作った民窯。したがって磁州窯の遺品は多く、我国にも相当数の優品が将来されている。







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