CJ-039 緑釉黒掻落牡丹文碗
時代: 南宋時代  、 サイズ: 高さ 9cm×口径 11cm
価格: \
磁州窯。
中国で俗に「緑宋磁」と呼んで、宋磁のうちでも特に珍重しているもの。白地黒掻落手の上に低火度の緑釉を全面に掛けたもので、遺品は白黒のものに比べ遥かに少ない。素地は赤味を帯びたやや鉄分のある陶質で、これを白化粧しその上に鉄絵具で牡丹唐草を描いてある。これに透明性の白釉を掛け一旦高火度で焼き、その上に更に緑釉を全面に掛け、八,九百度の低火度でもう一度焼く手間を掛けている。緑色が実に鮮やかでその下に漆黒の牡丹唐草文があり、愛すべき佳品である。素朴で親しみがあり、温雅な色調が実に美しい。手慣れた牡丹文の掻落も心地良く陶工の技の冴えが見事。内面は緑釉を全体に掛けている。この形態の深鉢は北宋時代独特のもの。修武窯製と思われる。抹茶碗として最適寸法であり、現代の目ききに取上げられてしかるべき優品であろう。大阪市立陶磁美術館蔵「緑釉黒花牡丹文瓶」が重要文化財で知られるが、それ程「緑宋磁」は稀少なもの。
白化粧地を一部箆彫りして文様を素地の鼠地と白地との対比であらわす白掻き落し法が960年代あたりに始まり、1100年頃になると、白化粧地に更に鉄の泥漿を掛け鉄泥で覆い、丁寧に鉄化粧土を掻き落し白地にくっきりと黒の文様が浮かぶ白地黒掻落法へと発展した。その黒掻落しの名作は何よりも日本人の心をいたく魅了したから大正・昭和年間に秀作が収集され日本はその名作の宝庫となっている。

参照 : CJ-026







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