CJ-028 白地黒掻落し梅瓶
時代: 宋時代  、 サイズ: 高さ 31cm
価格: \
磁州窯。
白地黒掻落しは磁州窯の中でも最も印象的な一群で優れた遺例が多い手法。白掻き落しにおける白と灰色の柔らかい対応に比べると、遥かに強烈なコントラストである。線彫り・掻落しという、彫刻風の施文技法はここに最後の素晴らしい成果を得たといえる。

この手法はなかなか手間のかかる仕事になるのだが、そういう作例が少なからずあるというのは、やはり丹念な掻落し仕事さえも報われる。それほどに優れた作品が出来るという自信があったということであろう。
透明釉の厚みが薄い場合には、鉄絵具の面の表は柿色になってしまう例もあるが、本品は漆黒にあがり、たっぷりと掛かった薄クリーム白色との対比も美しい。
牡丹の花は絵画的にゆったりと彫刻され、12世紀前半の遺品と思われる。
この手法は良質な石炭産地が近い修武窯が特に優れているといわれている。何にしても民衆の器の域を越える格調の高さが感じられる。







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