CJ-027 褐釉白地唐子文枕
時代: 宋時代  、 サイズ: 高さ 9cm×長さ 34.3cm
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磁州窯。
茶釉を掛けた上に黄褐釉を流し、掻落技法でもって上面・前後側面を装飾する。上面は稜花形の枠の外に牡丹花唐草を線彫り。内に牡丹花の咲く中に寝そべる唐子を掻落し、前側面は稜花形の中に大きな牡丹を。背面は魚を大きく掻落し。魚面には2ヶの焼穴が開く。両左側面は牡丹花を線彫りと手のこんだ技法、絵画で装飾される手慣れた仕事ぶりが美しい枕としている。
磁州窯の中でも特に遺例が多くデザインに変化があって面白いのが陶枕であって、上面を如意頭形にしたものも作られている。発掘により陶枕を売る商人の家があって、そこから沢山の陶枕が出土したと言われ、北宋後期の人々は日常に陶枕を盛んに使っていたと知れる。
金・元時代には白地鉄絵・三彩の枕が好まれ、また長大な枕も作られるようになり元時代では絵画風に筆で細かく山水人物を書いた細長い枕がかなり多い。陶枕は大坂市立東洋陶磁美術館開催「香港・楊永徳コレクション」が知られ、陶枕の多種多様な品が展覧され興味を持つ人が増した。磁州窯系の作品には唐子をあしらったものが多く、子供の姿には幸福な生活への願いが込められ蓮花はそうした願いを理性的な高みへと引き上げる働きを意味しており、このような枕で楽しい夢を結べたに違いない。通貨として用いられた銀塊.銀錠の形。

参照:CJ-003
参照本:吉祥−中国美術に込められた意味







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