GK-953 魚紋透嵌黒玉壁
時代: 漢時代  、サイズ: 高さ 径 42.5cm×厚み 0.4cm
価格: \
扇形片11ヶと中央の円形片1ヶとの組み合わせ12片で大型の壁とする。
扇形は花文に相対する魚文を透かしとし、下部の二重圏中央に半球黒玉を嵌め込み。円形は中央部と外周に8ヶの半球黒玉を嵌め込み、中央部には花文を透かし、球を歯向双頭のち虎が8頭刻される。灰青色玉で作られている。魚は余と音が通じることから良い意味を持っていたと考えられ、古くからしばしば用いられた文様。

新石器時代の彩陶から始まって、商周時代・春秋戦国時代にも魚の表された銅器や陶器がある。しかし、いわば定型化した魚の文様が表れるのは漢代から。特に二尾の魚を並べた双魚文は後漢時代の銅器や陶器などの内底に時おり表される。この文様はさらに後の時代の陶磁器にも用いられており、吉祥文様として現代まで連続して用いられた。

普通の玉器を多数作ることができる程の大きさの玉塊を用い、長時間かけてその大半を削って作るこのような玉器は大変贅沢なもの。玉器は製作上の困難から出来ばえには優劣があり、最上のものは権力者が持ち、それより落ちるものを貴族たちが持っていたのであろう。また、上質な物を権力者が功績のある臣下に下賜することもあった。








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