| 落としが付いた嵌め栓が宝珠形の水晶舎利容器。胴には「弥勒仏舎」と刻される。舎利とは仏教の開祖釈迦の遺骨のこと。釈迦の滅後、残された信徒達はストゥーパ(仏塔)を築いて、舎利を安置し礼拝した。舎利に対する礼拝は釈迦の亡くなった直後から行われており、仏像への礼拝が始まる遥か前に舎利礼拝は始まっていた。舎利信仰は仏教の最も根源的な信仰の姿を伝えていると言う事が出来る。古代寺院では舎利を塔に安置するインド以来の伝説が受け継がれ、伽藍の中で一際高くそびえる仏塔に埋納された舎利はまさに寺院を象徴する存在であった。初期の舎利容器は、滑石製や水晶製による装飾の少ない素朴な形のものが多い。水晶は中国でも古来貴石の一つとして珍重され、上級の工芸品の素材に用いられてきた。 |