鸞は鳳凰の一種の瑞鳥の名で、向かい合って蓮華座の上にとまる。蓮華は中央上下部にもあり、双鸞がとまる珍しい図柄。上部の双鸞は綬を口に銜える。
この文様全体に吉祥の含意が込められている。盛唐以後の鏡の文様は、使い手の趣向を反映した真に装飾文様の名に相応しい図柄に変遷していった。漢六朝鏡の文様が、基本的には鏡を製作した工人達の奉ずる思想の具象化であったのとは大きく異なっている。本鏡のようにおめでたい図柄が組み合わされた吉祥文様が出現することもその一つの表れ。この種の双鸞鏡には文様の変化も大きく、日本でも正倉院に類鏡があり、奈良興福寺金堂鎮壇具中にも含まれている。
参照 : DK-361 |