柄香炉は僧侶が手にもって仏前で献香するために用いる。六朝時代(220〜589年)以来、仏教儀礼を中心に使用された。この炉は二重になっており、内に香を焚く落とし炉が填め込まれている。その炉縁の上に複弁の蓮台に座す獅子が付けられて、鈕の役割を果たす。炉と炉底に柄から伸びた肘木、炉を支える束と蓮華座、そして二十花に小さく削られた台座を裏から鋲で接合している。柄の尾端に置かれた獅子鎮もよく似た同形鋲で接合する。
柄の炉に近い部分に二つの半球状の飾金具が付けられた変形ハート形の板が飾られる。正倉院には全体を金銀珠玉で装飾した紫檀製の柄香炉が同形品として知られ、今年2007年の正倉院展に初出品された。中国では普通、境内の和尚墓に納められた錫杖・浄瓶・塔碗・錫杖など、遺物の一つとして出土する。柄香炉は水瓶と同様、響銅による物作りの技術と共に北魏時代に中国そして仏教に取り入れられた。やがて、柄香炉は仏教と共に新羅、更に奈良時代の日本へと伝わり、法隆寺や正倉院に往時のまま残されている。
参照 : DK-348
参照本 :
・ 第59回 正倉院展
・ 保利蔵金 保利芸術博物館精品選
・ 唐皇帝からの贈物 |