DK-419 青銅鍍金銀狩猟動物文酒尊
時代:前漢時代 、サイズ:高さ 23cm×幅 20cm
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前漢時代の主要な器形の一つ。緑・褐釉陶や彩画陶としても作られ青銅器にも遺品が多い。従来、鏡などの粧具類を収める容器の「れん」と呼ばれた器形であるが、「れん」は近年の漆製出土品でも明らかなように器と同じ深さの蓋がすっぽりと覆い、無足の容器である。
一方、本器と同制の青銅器に「温酒尊」という自銘を持つ出土品があり、元来は酒を温めるための器であったことが知れる。三足は火にかけるために付けられたものであり、その小ささからすれば炭火を入れた炉が用いられたであろう。客に供する時は火から下ろし承盤に乗せて出され、勺が添えられたその様子は画像石などの描写に暫々見受けるところである。

酒ばかりでなく羹(スープ)を入れて供されることは象嵌・鍍金(銀)・彩画の三種があるが、この器には鍍金・銀が施されている。身部は熊・兔・鳥・虎・牛・鳳凰類を浮彫りし、それぞれに鍍金銀が施され、左右には舗首が付き、熊足3ヶで支える。蓋は多くの峰の重なる博山炉の形で、山岳紋様の中に騎上狩猟文・動物文を表わし鍍金している。神仙の世界であろう。鍍金銀という最高に華麗な装飾、多様な生き生きとした動物文と類品を見ない豪華さは富家の品。
1962年山西省右玉県大川村出土の類品は河平3年 (BC26)銘。

参照 : DK-217CK-049
参照本 : 中国文物精華 1992別冊太陽 台北故宮博物院










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