細線でもって数層となる楼閣・三人の人物・四囲を飾る花を形作る驚くべき細緻な細工で作られている簪。細金の高度な技術を駆使して作り上げるコウ絲といわれ、漢時代から続く技法。銀製鍍金製。
中国人にとって身を飾るということは決して不用意に出来ることではなかった。男性も着飾るためばかりでなく、階級を示す意味でも個人的な装身具を身に付けた。装飾品は一目見ただけでその持ち主が中国の厳格な社会階級のどこに所属するかを示すことが出来、初期王朝時代から帯鈎と帯金具が男性にとっては最も重要な宝飾品であり、一方女性は美しいヘアピンと櫛で手の込んだ髪形を飾った。中国女性は髪に特別の注意を払ったことは歴史が証明しており、いつの時代でも婦人の装身具には華やかさが求められる。明・清朝の皇帝生活は一夫多妻だったので、皇后や后妃などは身に付ける宝石などで位を区別していた。
1958年江西省南城県益庄王墓(明・成祖・永楽22年 AD1424年)より同形態金製簪が出土しており、楼閣人物簪は好まれた意匠で継続して元代から続いている。
参照 : GK-094 |