豆は古くは木・竹・土器で作った無蓋の器で、春秋末の蔡候墓出土品に初見される。戦国期に成立した周代の器物についての様々な規定を定めた書「周礼」にも供献用の器としての記述があり、重要な器種であった。
野菜と干し肉の塩漬けや酢漬けの塩辛などを盛ったと「儀礼」に記されているが、粟や米が発見されることが多い。中原以北を中心に使用され、華南では敦・高杯形の異式豆が常用された。胴部上下には二列の剣先文・圏足・蓋上部に雲紋・細長い脚部にも剣先文が全面にわたり金象嵌される。全体美しい錆に覆われる。愛蔵するに適当な小品であり稀品。
参照本 : 「中国戦国時代の美術 -金の輝きと精緻の技-」 |