精細な仕上げの明代のチベット・中国様式の金銅仏。サングアラとその神妃ヴァジュラヴァーラーヒーにおける17世紀の表現が刺激的で強烈な作品。サンヴァラは眉をよせて分怒の表情をし、激しくヴァジュラヴァーラーヒーを抱擁している。豊かな半貴石(トルコ石・赤瑪瑙)の埋め込みは絢爛である。チベットに7世紀仏教がもたらされて以来かって数千の寺院があり、その中には1万人もの僧侶がいるものもあって大いに栄えたが、文化大革命により寺院はかってない迫害・略奪に遭い、多くの美術品が失われ、又海外に流出した。
我国にあっては必ずしも正当な評価を与えられていないチベット美術は近年になって重要さが見直され、展覧・出版が行われるようになった。一般には「歓喜仏」ともいわれ、当初の宗教には陰陽の抱擁交合の仏像はなかったが、人口の増加を奨励の意で造られたという。
参照 : DK-038 、 DK-125 |