突起した円鈕の周囲は山・樹・花・草で埋められ、その間に4人の騎士が馬を馳せて獲物を追う姿が浮き出ている。騎士は投げ縄・弓・槍を持ち獲物は猪・獅子・兎。内区は一段下がり、外区との間にも鳥・草が鋳出され、全体細微で最高の抜けを示している。表面にうっすらと出る錆色が美しい。
長安の直ぐ近くには皇帝専用の広大な禁苑があり、狩猟場も設けられ狩猟・ポロが行われた。6代目皇帝・玄宗の治世下は「開元の治」と呼ばれ、華やかな盛唐文化が花咲き、豊かさが追求され金銀器・陶器が好まれ、多彩な文物が作られ今に残る。章懐太子墓の壁面には馬球(ポロ)に興じる貴族たちの遊戯のさまが生き生きと描かれ、栄耀栄華に満ちた当時の王侯貴族の生活を_偲べる。従来、古鏡の研究は中国よりも日本の学者が主導権を握っていた。中国では殷周銅器への関心が高く、鏡は日用の器具として余り重視されなかった。古代日本では中国鏡への趣向が強く、多量の鏡を輸入するだけでなく、自らも模作し権威の象徴として活用。更に平安時代以降は、中国の鏡つくりの衰退とは反対に日本独特の和鏡様式を生み出した。近年中国では陶磁同様、優品・新資料の出土が見られ楽しい分野である。
参照 : DK-094 |