CB-154 青花人物文瓢形水注
時代: 元時代  、 サイズ: 高さ 29cm×横 22cm×奥行 13cm
価格: \
景徳鎮窯。
ゆったりとした瓢形瓶に、長く湾曲した把手と長く伸びた注口が付く水注。総体は金属器の水注を摸倣したもの。胴部・首部には菊花と岩上の高仕が主文様、裾部にはラマ式蓮弁文が、把手には菊唐草文、注口には珠が丁寧に描かれている。
幾分青みがかった肌に濃く鮮やかな青花が映え、品格有る造形と共に格調高い作品としている。佳品である。東晋の陶淵明(365〜427)が菊を賞愛し、「菊を採る東離の下、悠然と南山を見る」と詠み、我身を菊に重ねて隠遁した生活を送ったこのことから、菊花は隠逸なる花、花の中の君子として珍重された。また瓢箪は中国では葫蘆とも呼ばれ、実用上の価値から中国人の生活と深い係りがあり、実を乾燥させて水を汲む杓子や酒を入れる器を作る他、若い実は煮て食用にされる。葫蘆は蔓が盛んに延びて次々と実をつけ、それぞれの実には非常に多くの種があることから、子孫の長久と多子の象徴として喜ばれた。さらに蔓の発音が万に通じるため、吉祥図案である。
この形状の水注は器に入れられた液体の圧力が注口により多く加わり、先端が細くなっていることと相俟って勢いよく注出されるという結果になる。宋時代の口が大きく広がった、いわゆる天目形碗に続く元時代碗にも適した機能。









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