景徳鎮窯。
長方形の平面からなる扁壺。左右の肩にち龍を装飾する。面一杯に珠取龍が翻り、精気に満ちた峻厳なる相貌は紛れもない元様式であり、青料も濃く元時代青花の魅力を横溢する。青花は濃く鮮やかな発色で、鉄斑文がところどころに滲み出ている。
扁壺は磁州窯でも造られており、元時代に始まった形状。元代景徳鎮窯で生まれた染付は多くイスラム圏に輸出され、器形・文様もイスラム風な作品が数多く見られる。この扁壺もイスラム銀器に本歌が求められる。
元青花は主としてイスラム圏の需要のもとに作られたもので、中国国内市場向けとしては限られた器物であり、民間用の日用器皿などは生産しておらず、元青花自体の生産量も初めから多くなかった。中国国内の伝世が少ないのはそのためだと考えられている。近時インドネシア古墓の出土品。
参照 : CW-048 |